蜂月さまインタビュー
インタビュー
――お世話になっております!蜂月さんからは2023年、最新作『エーテルグライダー』の宇宙船駒のご依頼をいただきました!
制作時のこだわりなどをお聞かせください!
蜂月 :
中~重量級のゲームは、どうしても場の情報量が多くなりがちですよね。
コンポーネントの種類も多くて、ひとつひとつ説明書と見比べながら遊んだり・・・そういうところも楽しいんですけどね!
――重ゲ独特の、いろんなマーカーやカードがビッシリ並んでるプレイ写真とかは、見ているだけでもちょっとやってみたくなっちゃいますね。
蜂月 :
『エーテルグライダー』は、様々なチップが置かれたボード上を、各プレイヤーの「宇宙船駒」が縦横無尽に移動するゲームです。
各プレイヤーの宇宙船駒の位置が重要なゲームなので、どこから見ても解りやすいよう、立体的な駒が必要でした。

盤面上で存在感が出るように、視認性と立体感にこだわった駒を作成しました。
蜂月 :
通常版では宇宙船型の木ゴマを採用していて、こちらも十分見やすいのですが、
アクリル製の駒を使用することで、宇宙船駒だけパッと見の印象が他の駒と大きく変わるため、ゲーム中に必要な情報がより探しやすくなると思います。
設計にあたり、「小さいのに、扱いやすくて、目立つ」そんな駒はできないものか、と考えていたとき、以前から何度かお世話になっていた「ツークール」(現在のスサビクリエイト。以下、スサビクリエイトと表記)さんに相談してみよう、となりました。
過去に同様の考え方でアクリル製の「小型・薄型スタートプレイヤーマーカー」を作っていただいたことがあって、その時の構造を応用できると思ったんです。
――『こちら異世界転生局』のマーカーですね!
蜂月さんに提案いただいた台座の構造を、我々が設計して製作させていただきました!


蜂月 :
このマーカーが初めての注文でしたね。
当時、薄型の台座で作りたいという構想はあったものの、どうやって形にすればよいか解らず、アイデア止まりになっていたんです。
知り合いのゲーム制作者さんに相談したところ、「スサビクリエイト」をご紹介いただきました。
技術力があって、設計もやってくれる。自由度の高いスタジオだと聞いていたのですが、こんな形はできますか? と相談したら、完璧な構造で仕上げてくれたので感動しました。
「ゲームの邪魔にならない小ささ・自立による存在感と安定感・分解せずに箱に入れられる薄さ・ずっと使える丈夫さ」
こちらが欲しかった要素をすべて満たした仕上がりでした。
ぜひ多くの方に使ってほしいと思い、『こちら異世界転生局』では、内箱にこのマーカーを入れられる専用のスペースを用意したほどです。

内箱に用意されたマーカー専用スペース。
遊んでいただく方への心遣いが感じられます。
蜂月 :
組み立て式・自立式の駒は便利なのですが、プレイするたびに台座から外さないと片付けられないモノも多いですよね。
この構造の駒は高い視認性を備えつつ、そのまま片付けられる薄さなのが、特に気に入っている点です。
お買い上げいただいた方からは「別のゲームでも使っています」という声もよく聞きます。
――あの構造はほんとうに良いものなので、広く使っていただけているのは嬉しいです!
蜂月 :
スタPマーカーの時は透明素材でしたが、今回のエーテルグライダーの宇宙船駒は、各プレイヤーの色が付いた素材を使いたい。
そう相談したら、すぐにアクリル板のカラーサンプルを手配してくれたのもありがたかったです。
――製造側のポイントとしては、自立したときの安定感ですね。一度組み上げたら分解はほぼ不可能なぐらい、ガッチリハマるように設計しています。
実はこの台座、組立時にパーツに負荷がかかりやすい、かなり攻めた構造なんですよね。
弊社の「アクリル駒」には、すべて国産の良質なアクリル材を使用しています。
ゲームコンポーネントに最適な硬さや粘りを求めて、
あらゆるメーカーを調査した結果たどり着いた、よりすぐりの素材を使用しています。そのおかげで実現した自信作ですね。
蜂月 :
「スサビクリエイト」さんの品質には、コンポーネントとしての使用を想定した独自のノウハウが詰まっているので、信頼感があります。
「個体差やハメ方によっては、台座部分が破損する可能性がある」ということは事前に伺っていたので、
念のため対応の準備はしていたのですが、破損報告は非常に少なかったです。
かなり数も出ていたし、とても固めに作ってもらったので覚悟はしていたのですが、実際に交換対応したのはそれぞれ数件程度でした。
それだけつくりが良かったということですね。
グッズ以外にも、イラストの制作をお願いしたこともありましたね。
『異世界ギルドマスターズ』の拡張用の駒を考案中、たまたま当時見せていただいた商品のアクリルスタンドに描かれていた、ドット絵のドラゴンがカッコよくて。
「あ、今ちょうどこんな感じの絵、欲しいんですよね」と気軽に言ったら「できますよ」って返されちゃって(笑)
じゃあお願いしちゃおうかな、と。
「スサビクリエイト」さんからいただいたイラストを元に、自分が駒の形状と図柄をデザインして。
また「スサビクリエイト」さんがそれに合うカラー素材を提案してくれて。

イラストの面でもお手伝いさせていただきました。
――ヒアリングをもとに、ご希望にそったイラストや素材をご用意させていただきました!お力になれたようで、なによりです!
蜂月 :
共同制作のように手厚く進めていただけたので、とても助かりました。
アイデアが形になっていくのを見るのはワクワクしますね。
――コンポーネントの制作は我々の得意とするところですが、
ほかにも様々なアイテムの製造と、その中で培ってきたノウハウ、コネクションも我々の自慢です!
製作所という垣根を超えて、クリエイターと作品の熱意・魅力を総合的にバックアップできるよう、さらにサービスを充実させていきます!
蜂月 :
ありがたいですね・・・!今後も増産や新作の際は、頼りにさせていただきます!
――ぜひ!ご相談をお待ちしています!本日はありがとうございました!
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